12月7日発売の文芸誌「新潮」1月号に、平野啓一郎の最新短篇『息吹』が掲載されます。
Audibleで先にリリースされる「オーディオファースト小説」として話題となっている本作(Audible作品ページはこちら)。 いよいよテキストでもお読みいただけます!
「現実と非現実の境界が曖昧になる」「ラストシーンで思わず、えっ!と声を出してしまった」など、人それぞれの感想がXでも続々と上がっています。
すでにAudibleでお聴きくださった方も、テキストではまた読後感が変わるはずですので、ぜひ掲載誌を手にとってみてください。
【あらすじ】
とある夏の日、中学受験を控えた一人息子を模試会場に迎えに行った齋藤息吹は、勘違いから、自分が一時間も早く到着してしまったことに気がつく。時間つぶしに入ろうとしたかき氷店は満席。仕方なく、十数年ぶりに入ったマクドナルドで、隣の席から聞こえてきた気懸かりな会話に、彼はにわかに不安を募らせてゆく。些細な偶然から、間一髪のところで命拾いをした夫の興奮を、戸惑いつつ、安堵とともに受け止める妻の絵美。
しかし、その日から家族の平穏な日常は、少しずつ、「もう一つの別の日常」によって急速に浸食されてゆく。精神と肉体の危機を潜り抜けた先に、家族を待ち受けていた衝撃の結末とは?