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平野 啓一郎

あらすじ
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『マチネの終わりに』『ある男』に続く、平野啓一郎の最新作。

『マチネの終わりに』『ある男』に続く、平野啓一郎の最新作。

主人公・朔也は「リアル・アバター」を職業にする29歳の青年。特殊な装置を付けて依頼者の「分身」として外出し、疑似体験を引き受けている。母子家庭で育った朔也は、半年前に事故で最愛の母を亡くした。誰からも仲の良い親子だと見られていたし、母親思いの、心の優しい青年だった。母が存在しない孤独と不安に打ちひしがれた朔也は、意を決して、母のVF(バーチャル・フィギュア)製作を企業に依頼する。
VFの製作を依頼した翌日、朔也は母のアバターとして河津七滝に出かけた日を思い起こしていた。あのとき、雄大な大滝を味わったあと、母はこう切り出したのだ。「お母さん、安楽死の手続きをして来たの。」朔也にとって半ば怒りをも感じさせる驚愕の言葉だった。なぜなのか?――対話を積み重ねても、母の願いは変わらず、朔也は母の安楽死を絶対に認めなかった。そして結局、母は朔也の出張中に、事故死してしまったのだった……。VFの製作をするための“資料“を探す中で、朔也は母の「本心」にたどりつけるのか。そもそも、人間は「本心」を生きられるのか?
AIや仮想現実が発展するなかで、人間の心や死生観にどんな変化が生まれるのか、「人間とは何か」という問いを追究する文学作品。仮想空間での「分人」という要素を加え、平野の提唱する分人主義をさらに深める。

― 著者 ―

平野啓一郎

(小説家)

1975年愛知県蒲郡市生。北九州市出身。京都大学法学部卒。1999年在学中に文芸誌「新潮」に投稿した『日蝕』により第120回芥川賞を受賞。以後、数々の作品を発表し、各国で翻訳紹介されている。2004年には、文化庁の「文化交流使」として一年間、パリに滞在。2008年からは、三島由紀夫文学賞選考委員を務めている。

美術、音楽にも造詣が深く、幅広いジャンルで批評を執筆。2008年から2017年まで東川写真賞の審査員を務めた。また、2009年から2016年まで日本経済新聞の「アートレビュー」欄を担当した。2014年には、国立西洋美術館のゲスト・キュレーターとして「非日常からの呼び声 平野啓一郎が選ぶ西洋美術の名品」展を開催。同年、フランス芸術文化勲章シュヴァリエを受章。また、2016年には、マルタ・アルゲリッチ×広島交響楽団の「平和の夕べ」コンサートに、アニー・デュトワ氏と朗読者として参加した。
著書に、小説『葬送』『滴り落ちる時計たちの波紋』『決壊』(芸術選奨文部科学大臣新人賞受賞)『ドーン』(ドゥマゴ文学賞受賞)『かたちだけの愛』『空白を満たしなさい』、『透明な迷宮』『マチネの終わりに』(渡辺淳一文学賞受賞)『ある男』を刊行(読売文学賞受賞)、エッセイ・対談集に『私とは何か 「個人」から「分人」へ』『「生命力」の行方~変わりゆく世界と分人主義』『考える葦』『「カッコいい」とは何か』等がある。

平野啓一郎からのメッセージ

私たちの生を、さながら肯定する思想を考え続けています。主人公は、愛する母親を亡くしたあと、仮想現実によって再現された母親と生活することになります。その過程で見えてくる母の本心と、自分の心の変化が主題です。乞うご期待!

インタビュー

人は生きているだけで 非常に尊い存在だ。

― 挿絵画家 ―

菅 実花

(美術作家)

1988年神奈川県生まれ。美術作家。2009年東京藝術大学美術学部絵画科日本画専攻入学。2013年同大学大学院美術研究科先端芸術表現専攻修士課程に進学。現在同大学院同専攻博士後期課程に在学。2016年に第64回東京藝術大学卒業修了制作展で発表した修了作品《The Future Mother》で注目を集める。2018年共著『〈妊婦〉アート論 孕む身体を奪取する』刊行。主な展覧会に個展「The Future Mother」(2016、慶應義塾大学、神奈川)、「黄金町バザール2017」(2017、黄金町site-Aギャラリー、神奈川)、個展「The Silent Woman」(2018、文京区立森鷗外記念館、東京)、個展「The Ghost in the Doll」(2019、原爆の図丸木美術館、埼玉)。千葉県在住。

菅 実花からのメッセージ

私は人工生命の在り方に関心を持って、現代美術の領域で作品を発表してきました。『本心』の主題の中にも自身と通底する問題意識を感じています。連載を通して徐々に展開していく物語からイメージを広げて挿絵に取り組みます。

インタビュー

毎回チャレンジを 繰り返すほうが絶対に おもしろいと思ったんです。

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