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「リアルサウンドブック」に最新長篇『本心』にまつわるインタヴューが掲載されています。

「リアルサウンドブック」に最新長篇『本心』にまつわるインタヴュー『平野啓一郎が語る、疲弊した社会に必要なこと 「知的になることで感情的な苦しさから解放されることはあるはず」』が掲載されています。ぜひご覧くださいませ。

——朔也の母親は、70才という年齢で「自由死を選びたい」と言い出します。これは死を自分で決定できる権利ですが、新聞連載時には“安楽死”という言葉が使われていました。あえて“自由死”という言葉を使ったのはどうしてなんですか?

平野:それは僕が以前から提唱している“分人主義”とも関係しています。分人主義は、対人関係や環境によって、いろいろな自分になっていくという考え方。そのなかには心地いい分人もいれば、ストレスに感じる分人もあり、それを総合的に客観視しましょうということを言ってきたんですが、自分が死ぬときのことを考えると、できれば、心地よくて幸福感のある分人でそのときを迎えたい。愛する人に看取ってもらいながら、死の恐怖感をシェアしてもらえるのが理想じゃないかなと。ただ、どんなに気を付けていても突如として死が訪れることはあるし、事前に予定調整をしない限り、理想的な死の状況を作ることはできない。そこから発展させて、人生の他の大事なことと同じように、「死を自分のタイミングで決めることは社会的に許せるのか?」ということから考え始めたんですね。

インタヴュー『平野啓一郎が語る、疲弊した社会に必要なこと 「知的になることで感情的な苦しさから解放されることはあるはず」』
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