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作品

2『一月物語』
2『一月物語』
2『一月物語』
2『一月物語』

2『一月物語』

発売日: 1999/04/15

『日蝕』の姉妹篇として構想された第2作目。幻想的な自然美の中で生きられた、永遠の時。

明治30年、自由民権運動に挫折し、詩人となった青年真拆は、「神経衰弱」を癒やす旅の途上で、一匹の美しい蝶に誘われ、奈良県十津川村の山中に迷い込む。毒蛇に噛まれ、九死に一生を得た彼は、夢と現との狭間で、運命の女性との邂逅に心奪われる。――
月を象徴とする神話的な物語は、全平野作品中、最も耽美的。バイロン的ロマン主義と縁起との相克を、「情熱」的に生きようとする青年の姿が、典雅な文体で夢幻的に描かれている。

初出


『新潮』1998年12月号

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