中国語版『高瀬川』が本日2月19日発売されました!
うれしいことに、中国の「文学報」という書籍専門新聞の「3月好榜」というコーナーで、3月のベストランキングにも入ったようです。
多くの方に手にとっていただけましたら幸いです。
生と死を巡るリリカルな思索と、「現代」を捉えるための形式的実験。第2期へと突入!
『葬送』刊行後、平野はその作風を一変させ、読者を驚かせた。表題作は、私小説的な設定で若い男女の一夜をリリカルに描写し、性をコミュニケーションの過程に繊細に位置づける。記憶のない父の死を、比喩化された言葉によって反復的に再構成してゆく「追憶」。存在の孤独が、幻視的な光景と共に鮮烈に表現された「清水」。「氷塊」は、母を失った少年と不倫をする女との儚い誤解を、上下二段に分割された斬新な手法で描く。
日本語版『高瀬川』より
作者の多才と叙情性が強く印象づけられた短編集。