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作品

7『あなたが、いなかった、あなた』
7『あなたが、いなかった、あなた』
7『あなたが、いなかった、あなた』

7『あなたが、いなかった、あなた』

発売日: 2007/01/30

現代アートに接近し、生と死の〝ロケーション〟をメディア上に模索した、第2期最後の作品。

一年間のフランス滞在中に執筆された「『フェカンにて』」は、「高瀬川」の〝大野〟が再登場するミステリー風のメタフィクションで、後の「分人主義」を準備した重要作。
ウェブ2.0と電子本の登場を背景に、本作ではメディアとしての言語と書籍の可能性が、現代アートの強い影響下で探求されている。また、スマトラ沖地震に衝撃を受け、津波を媒介に自然死と突然死とを対置した冒頭作など、驚くべき予見性も。
『高瀬川』以降の実験が極限まで推し進められたが、小説の範疇を逸脱した作品もあり、第3期への移行の必然が感じられる。

初出


鏡(書き下ろし)
『フェカンにて』(『新潮』2004年12月号)
女の部屋(『新潮』2004年1月号「女の部屋のコンポジション」改題)
一枚上手(『週刊新潮』2005年7月21日号)
クロニクル(『新潮』2006年3月号)
義足(『野性時代』2005年10月号)
母と子(『新潮』2005年7月号)
異邦人#7-9(『新潮』2005年7月号)
モノクロウムの街と四人の女(『群像』2006年2月号)
慈善(『すばる』2006年1月号)

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