作品
12『透明な迷宮』
発売日: 2014/06/30
ムンクのエッチングにインスパイアされた表題作など、第4期の方向性を決定した短編集。
異国の地で監禁され、見世物として「愛し合う」ことを強いられた男女は、帰国後、その記憶を「本当の愛」で上書きしようと懸命に求め合う。その意外な結末は?……表題「透明な迷宮」は、そのまま、第4期を象徴するイメージとなった。社会から逸脱した者たちの生を、繊細に、ペーソスとユーモアを交えつつ描いた六篇。震災後の時間感覚を奇想として描く「Re:依田氏からの依頼」、孤独な郵便配達員の驚くべき秘密を明かす「消えた蜜蜂」など、豊かな物語性と陰翳深い人物造形が高い完成度を誇る、平野文学の新境地。
「消えた蜜蜂」の英語版はこちらでも公開されています。
https://granta.com/the-bees-that-disappeared
初出
消えた蜜蜂(『早稲田文学』2014年秋号)
ハワイに捜しに来た男(2013年11月、伊勢丹新宿店でのイベントで配布)
透明な迷宮(『新潮』2014年2月号)
family affair(『新潮』2013年10月号)
火色の琥珀(『文學界』2014年3月号「火を恋う男」改題)
Re:依田氏からの依頼(『新潮』2013年7月号)