作品
「カッコいい」とは何か
発売日: 2019/07/16
「カッコいい」を考えることは、いかに生きるべきかを考えることだ!
本書は、「カッコいい」男、「カッコいい」女になるための具体的な指南書ではない。そうではなく、「カッコいい」という概念は、そもそも何なのかを知ることを目的としている。
「カッコいい」は、民主主義と資本主義とが組み合わされた世界で、動員と消費に巨大な力を発揮してきた。端的に言って、「カッコいい」とは何かがわからなければ、私たちは、20世紀後半の文化現象を理解することが出来ないのである。
誰もが、「カッコいい」とはどういうことなのかを、自明なほどによく知っている。
ところが、複数の人間で、それじゃあ何が、また誰が「カッコいい」のかと議論し出すと、容易には合意に至らず、時にはケンカにさえなってしまう。
一体、「カッコいい」とは、何なのか?
私は子供の頃から、いつ誰に教えられたというわけでもなく、「カッコいい」存在に憧れてきたし、その体験は、私の人格形成に多大な影響を及ぼしている。にも拘らず、このそもそもの問いに真正面から答えてくれる本には、残念ながら、これまで出会ったことがない。
そのことが、「私とは何か?」というアイデンティティを巡る問いに、一つの大きな穴を空けている。
更に、自分の問題として気になるというだけでなく、21世紀を迎えた私たちの社会は、この「カッコいい」という20世紀後半を支配した価値を明確に言語化できておらず、その可能性と問題が見極められていないが故に、一種の混乱と停滞に陥っているように見えるのである。
そんなわけで、私は、一見単純で、わかりきったことのようでありながら、極めて複雑なこの概念のために、本書を執筆することにした。これは、現代という時代を生きる人間を考える上でも、不可避の仕事と思われた。なぜなら、凡そ、「カッコいい」という価値観と無関係に生きている人間は、今日、一人もいないからである。
「カッコいい」について考えることは、即ち、いかに生きるべきかを考えることである。
――「はじめに」より
※本書「第5章」に於いて、ナチスの制服をヒューゴ・ボスによるデザインであるとする事実誤認の記載がありました。ボス社は、衣料品工場としてナチスの制服の生産を受注していたものの、デザインには関与しておらず、第6刷以降で、訂正を行いました。
書評&インタヴュー
・本の要約サイト『flier』(7月16日)要約掲載。
・『赤旗』(日曜版7月21日号)インタヴュー掲載。
・TOKYO FM「JAM THE WORLD」(7月23日OA)書籍紹介。
・「&M」(7月24日)インタヴュー掲載。
・「新R25」(7月26日)抜粋記事掲載。
・『朝日新聞』(7月31日号)インタヴュー掲載。
・『西日本新聞』(8月5日号朝刊)インタヴュー掲載。
・TBSラジオ『ACTION』(8月9日放送)書籍紹介。
・文春オンライン(8月10日)インタヴュー掲載。
・『日経新聞』(8月13日号夕刊)インタヴュー掲載。
・Agenda note(8月14日)インタヴュー掲載。
・NHK FM『ジャズマイルス』(8月16日OA)書籍紹介。
・『週刊新潮』(9月19日号)武田将明さんによる書評掲載。