マチネの終わりに
平野啓一郎

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毎日新聞とnoteで連載されていた、平野啓一郎の長編小説です。

物語は、クラシックギタリストの蒔野と、海外の通信社に勤務する洋子の出会いから始まります。初めて出会った時から、強く惹かれ合っていた二人。しかし、洋子には婚約者がいました。やがて、蒔野と洋子の間にすれ違いが生じ、ついに二人の関係は途絶えてしまいます。互いへの愛を断ち切れぬまま、別々の道を歩む二人の運命が再び交わる日はくるのかー

中心的なテーマは恋愛ではあるものの、様々なテーマが複雑に絡み合い、蒔野と洋子を取り巻く出来事と、答えのでない問いに、連載時の読者は翻弄されっぱなし。ずっと"「ページをめくりたいけどめくりたくない、ずっとその世界に浸りきっていたい」小説"を考えてきた平野啓一郎が贈る、「40代をどう生きるか?」を読者に問いかける作品です。

愛読者の皆様から寄せられた感想をご紹介します。
また、「#マチネの終わりに」タグでの感想、お待ちしてます!

洋子の「なぜなのかしら...」という決して答えの出ない問いに引き裂かれる思いでした。洋子のこの問いは、「なぜこんなことが起こらなければならないのかしら」という個々の人間の意思を超えた「どうにもできない何か」に対する問いに思えました。素敵な物語をありがとうございます。単行本化を心待ちにしております。

エグスタム(20代)

ヒロインの洋子さんがとにかく素敵!彼女が幸せになれるのか心配で、毎朝新聞読むたびにはらはらしていました。知的で行動的で、強靭なのに繊細で、中年の美女と言いつつ美少年っぽい爽快さがあって。離婚後の仕事ぶりとか震災後の行動とか、自分にもっと能力と気概があったらこんなふうに生きてみたいと思いました。

アルシネ(50代)

noteでは、その時々に使われている音楽を紹介して下さっていたので、新聞専門の母にも動画を紹介したりして、家族でこの世界により深く入り込めました。毎日の通勤電車が楽しみになるほどで、家族とも話し合う事が多かったです。槙野さんと洋子さんが様々な出来事に翻弄されながらも、自分の心と人生に誠実に向き合う姿に感動しました。読み終えた時は、自分の過去の傷さえも、そっと癒してもらえたような優しさを感じていました。

Phatthai(30代)

平野さんの本は「葬送」以外読みましたが、今までの作品の中でも一番好きです。まるで絵画を見ているような美しさを感じました。色々なテーマが複雑にからみ合っていることや、「どうしてこんなことに...!」とやきもきするのも読んでいて楽しかったです。単行本の発売を物凄く楽しみにしています。

Mari(30代)

人よりいくらか小説を読む私が最も読まないのが恋愛小説ですが、戸惑うほど彼らに心乱されました。ただ深いだけの愛が描かれているわけではなく、彼らをとりまく環境や社会情勢も丁寧に描写されているところが、これまで経験したことのない感情を味わわせてくれました。

藤村結香さん

人をたまらなく好きになる時のあの想い、この人でなければと心がささやく確かな気持ち。“運命の人はきっといる”そう思わせてくれる一冊でした。恋愛小説というよりも、真実の愛の物語ですね。

佐伯敦子さん

現在と過去と未来について考える。付随する出来事によって、それぞれのエピソードの意味が変わるなんて、これまで考えたことなかった。なんだかすごいものを読んでしまった。

奥川由紀子さん

恋愛とは何か、どうして恋が生まれるのか、そんなシンプルな疑問に答えてくれる作品です。プラトニックな二人ですが、切なくなるような二人の会話に心動かされました。「未来は常に過去を変えている」何度かでてくるこのフレーズがとても心に残りました。

三瓶ひとみさん

心かき乱される展開と2人の愛の行方に、ラストまで心を奪われてしまいました。読後も数日は余韻に浸り、ラストシーンを読み返してはジ~ンと胸が震え……「マチネロス続出!」にも納得しました。


小林裕子さん

終盤、滂沱しました。中盤の憤懣やるかたない気持ちにさせられる事件から、あらゆる感情を超えて特別な静謐に達した男女の邂逅までの展開。
平野さん、完全にやられましたよ。しばらく恋愛小説は読めそうにありません。

花本武さん

恋愛には、いや人生には残念ながら報われないことがままある。それを著者は、主人公の言葉として、変えられるのは未来だけではないと。過去は絶対的なものではなく未来によって変わってしまうくらいの脆い物だと。また別の登場人物の台詞として、運命論の方が慰めになると著している。それは、否応なく変わってゆく世界に対して、また世知辛い世の中を生きる私達に対しての慰めそのものではないか。

安東美佳さん

心のトキメキ、ロマン、そして焦燥感にかられて一気に読んでしまいました。

水口真佐美さん

「大人の恋愛」とは何なのだろう? ある程度の諦めのようなものがつきまとうのか? 恋をすると、人は多分「大人」ではいられなくなるのだ。主人公たちがもがく様は、とても滑稽な気もするし、同時にとても美しいものだとも思う。

辻香月さん

こんなに高尚で謙虚な恋はしたことがないが、妙齢の女性の微妙な心理、行動への共感は激しく、昔と現在の自分を比較したり、思い出したりした。小説を読む醍醐味を満喫できた。

中村優子さん

これはなんという雄弁な物語なのだろう。この作品自体が、強烈な意思と人肌の体温が伝わるいきもののようだ。凄まじい文学がここにある。

内田剛さん

明日死ぬなら、少しでもこれを読んで死にたいと思ってしまったのです。本を読んでいて、明日死ぬならなんて考えたことは初めてで、これは物語のテーマと平野さんにしか書き得ない文章の存在感に飲み込まれたからだと思います。

竹田勇生さん

小説を読むことでしか得られない精神的な喜びを、久しぶりに得ることが出来ました。素晴らしい物語をありがとうございました。最後は深くて大きな「愛」に包まれるような気持ちで読み終えました。私も完全に「マチネロス」の一人となりました。

野尻真さん

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書店員の皆様から寄せられた感想をご紹介します。
また、「#マチネの終わりに」タグでの感想、お待ちしてます!

こんなにも惹かれ合っているのに、ちょっとしたすれ違いで遠のいてしまう二人。せつなく迫ってきました。最後は涙なしには読めません。心が震える作品でした。

旭屋書店池袋店 北川恭子さん

人と人が惹かれ合うというシンプルな美しさが際立つ物語で、心にキラキラと輝く宝石をポンと置かれたようなそんな心持ちがする。その宝石はとても切なく輝く色をしつつも無限に光り輝いている。

ジュンク堂書店新潟店 涌井有紀さん

運命の悪戯や時の流れに遮られることなく、忘れられない想いを抱える二人の幸せをどんなに願いながらページをめくったことか。芳醇なワインのような大人の恋愛物語に切なさで胸がいっぱいになりました。

MARUZEN名古屋本店 竹腰香里さん

変えたい過去は未来に変えることができるし、変えたくない過去さえも未来によっては書き換えられてしまうのだ。二人の過去も現在も未来も溶け合う瞬間を目撃した気持ちになった。

紀伊國屋書店横浜店 川俣めぐみさん

この上なく美しい音楽、そして何より、言葉に満ち溢れている。感想を簡単に言葉にしてしまいたくないと思う。胸の内で大切に温め続けたい。まるで恋そのものではないか。

ジュンク堂書店芦屋店 長谷川陽平さん

ドリカムの『もしも雪なら』という曲にある「大人の方が恋は切ない」というフレーズを思い出しました。歳を重ねた分、純愛は切なさを増すのかもしれません。

株式会社新進 莨谷俊幸さん

今年不惑を迎える私にとって、本書をいま読めたことはとても幸運だった。絶望と諦念のあとにも続いていく人生に、この小説を携えて歩いていくことができるから。実に魅惑的な読書体験だった。この恋愛には、どんなスノッブもロマンチストも、現実主義者も運命論者も酔いしれるだろう。

紀伊國屋書店新宿本店 今井麻夕美さん

真っ直ぐに、誠実に、人を愛するということは、心地よいものなのだと教えてくれる。主人公たちに出会えて本当によかった。

紀伊國屋書店ゆめタウン徳島店 朝加昌良さん

互いを思いやるがために簡単に解ける誤解が解けず、すれ違ってしまう……人間の不器用さや運命について考えました。最後に、二人の未来に明るい希望を抱きました。

ジュンク堂書店池袋店 小海裕美さん

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読者へのメッセージ

小説の中心的なテーマは「恋愛」ですが、
そこは僕の小説ですので、
文明と文化、喧噪と静寂、生と死、更には40代の困難、父と娘、
《ヴェニスに死す》症候群、リルケの詩、……といった、
硬軟、大小様々なテーマが折り重なって、重層的な作りになっています。
もちろん、全篇にわたって音楽の存在は重要です!
『透明な迷宮』以来、「ページをめくる手が止まらない」小説ではなく、
「ページをめくりたいけどめくりたくない、
ずっとその世界に浸りきっていたい」小説というのを考えてきました。
何かとくたびれる世の中ですが、
小説を読むことでしか得られない精神的なよろこびを、改めて、
追求したいと思っています。

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平野啓一郎(小説家)

平野啓一郎

1975年愛知県蒲郡市生。北九州市出身。京都大学法学部卒。1999年在学中に文芸誌「新潮」に投稿した『日蝕』により第120回芥川賞を受賞。以後、数々の作品を発表し、各国で翻訳紹介されている。2004年には、文化庁の「文化交流使」として一年間、パリに滞在。2008年からは、三島由紀夫文学賞選考委員、東川写真賞審査員を務める。美術、音楽にも造詣が深く、幅広いジャンルで批評を執筆。2009年以降、日本経済新聞の「アートレビュー」欄を担当している。2014年、フランス芸術文化勲章シュヴァリエを受章。著書は小説、『葬送』『滴り落ちる時計たちの波紋』『決壊』(芸術選奨文部科学大臣新人賞受賞)『ドーン』(ドゥマゴ文学賞受賞)『かたちだけの愛』『空白を満たしなさい』、『透明な迷宮』、エッセイ・対談集に『私とは何か 「個人」から「分人」へ』『「生命力」の行方~変わりゆく世界と分人主義』等がある。

これまでの作品

  • 空白を満たしなさい(上)
  • 空白を満たしなさい(下)
  • 透明な迷宮
  • 日蝕一月物語
  • 私とは何か
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コラボクリエイター

noteとの連動企画として、アーティストの皆さんとコラボレーションをしました。
『マチネの終わりに』をテーマに、作品を制作してもらうというものです。
4⽉にはヒカリエで展⽰会も開催されました。

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ライブペイント、壁画制作を中心に活動するアートユニット。2007年に結成し、具象モチーフを描くhitchと抽象モチーフを...

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何かの事象に対する認識の変換にや自分なりに「わかる」という体験を出発点に作品を制作しています。

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ここでは「マチネの終わりに」を読んで考えたことや、制作の過程などを書いていけたらと思っています。

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現代美術作家。東京拠点に国内外で活動。彫刻的なアプローチで日常におけるフィクションをテーマに制作を行なう。

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人形を作り、それをつかった写真作品を作っているサイトウタカヒコです。

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